FX初心者がまず覚えて頂きたいのが、FXチャートパターンです。
FXチャートにはいくつかのパターン・法則があり、これを頭に入れてFXトレードするだけでも結果は大きく変わってきます。
インジケーター等を使って売買の方向性を決定した後、その方向性とFXチャートパターン分析による方向性が一致した時にだけトレードをすると勝率が格段に上がります。
ここでは、FXチャートの典型的なパターンを解説します。
FX初心者はFXチャートを見たときに、そのチャートの裏側に人間がいることを忘れがちです。
どうしても目の前の値動きにだけ意識が行ってしまい、『なぜここでレートが上がったのか』『なぜ急に下がったのか』を理解できないまま悩んでしまうことが多いのです。
しかし、FXチャートにはいくつかの典型的なパターンがあり、そのような動きになるのには理由や論拠があります。
まずFX初心者はFXチャートの本質を理解しておくことが大切です。ここでは5つのポイントに絞って、FXチャートの重要性を解説します。
- FXチャートの裏側には人間心理が隠れていることを理解する
- FX初心者が覚えるべきFXチャートパターン
- 2-1. FXチャートパターン①…ペナント
- 2-2. FXチャートパターン②…ソーサーボトム
- 2-3. FXチャートパターン③…ソーサートップ
- 2-4. FXチャートパターン④…ダブルボトム
- 2-5. FXチャートパターン⑤…ダブルトップ
- 2-6. FXチャートパターン⑥…高値切り下がり
- 2-7. FXチャートパターン⑦…ロウソク足の底値切り上がり
- 2-8. FXチャートパターン⑧…暴騰・暴落
- 2-9.FXチャートパターンを活用する際の注意点①…FXチャートパターンは絶対ではない
- 2-10.FXチャートパターンを活用する際の注意点②…損切りは必ず入れる
- 2-11.FXチャートパターンを活用する際の注意点③…売りのスピードは速い
- まとめ
FXチャートの裏側には人間心理が隠れていることを理解する
FXチャートはそれだけを見ていると、まるで機械が自動的に作り出しているかのような錯覚を覚えます。特にFX初心者の頃は、FXチャートの裏側に大勢のトレーダーがいることを忘れてしまいがちです。
FX初心者はまず、FXチャートは多くの人間の心理・行動によって動かされていることを覚えておいて下さい。決して機械によって自動的に作り出されているわけではありません。
FXチャートは人間の心理・行動によって形成されています。
人間の心理や行動がなぜFXチャートとなって表れるか。それは、FXチャートを見てFXトレードをしているのが人間だからです。
もちろん自動売買などごく一部では人間以外がトレードをしていることもありますが、その自動売買ツールも作ったのは人間です。
FXチャートは、それを見てトレードをしている世界中の人達によって作られているのです。
トレーダー達は『ここで買おう』『ここで売ろう』『ここは少し待って値動きが出てからその方向で判断しよう』『利益が減る前に早めに利益確定しておこう』等、様々なことを考えています。
そしてその考えが次の行動へとつながり、その行動の結果が今目の前にあるFXチャートになって表れてくるのです。
極論を言えば、今のFXチャートは世界中のトレーダー達の心理の総意とも言うことができます。
つまりFXチャートは機械ではなく世界中のトレーダーが考えて行動した結果の積み重ねなのです。
そこには人間の意思や欲望や行動が値動きという形で入り込んでいるわけです。
人間心理は奥が深そうに見えるかもしれませんが、至って簡単です。人間は特定の条件下においては誰しも似たような行動パターンをとるのです。
これはFXチャートにおいても全く同じことが言えます。人と同じような動きをすることで安心感が得られるために、FXチャートパターンが法則に従ったような動きになった時に、安心感が後押しして一気にその法則通りの値動きをしやすくなるのです。
FX初心者はFXチャートの裏側には人間心理が渦巻いていることをまず意識して下さい。
そして、その人間心理・行動によって作られるFXチャートには典型的なパターンがいくつかあるのです。ここを理解するだけでもFXトレード結果は大きく好転します。
1-2. FXチャートパターンには典型的な法則がある
FXチャートは何も意識せずにただ見つめているだけだと、そこにいくつかの法則性があることには気づきません。
しかし、FXチャートを動かしているのが人間だと考えれば、法則性があることが分かってきます。
結論から言いますと、FXチャートには典型的な法則がいくつかあります。具体的な法則については後述しますが、FX初心者はまずこの典型的なチャートパターンを覚えて下さい。
そうすることで確実に勝率はアップします。
なぜFXチャートには法則性があるのか。それは先述した通りFXチャートを作っているのは人間心理が働いているからです。
具体例を1つ挙げて説明します。
FXチャートパターンの代表格として『ダブルトップ』というFXチャート形状があります。
これは下図のように、ある高値レートの所で2回跳ね返された状態のFXチャートを言います。
高値のトップ部分が2ヶ所あるのでダブルトップと言われています。このFXチャートパターンになった時に法則を活用できるのです。
上昇を続けてきたが同じ価格帯の所で2回も跳ね返されている状態です。そして『このFXチャート形状になっていて2回目の高値が1回目の高値より下にあって、レートが下がってきた時』には、レートはどんどん下がっていく可能性が高いのです。
つまりこのFXチャートパターンが出現して、なおかつレートが大きく下がってきた時に売りエントリーすればかなりの高確率で勝つことができます。
これがFXチャートパターンの法則性を利用したFXトレードです。
FXチャートがダブルトップを示してレートが下がってきた時に、次の動きとしてなぜレートは下がりやすくなるかを説明します。
レートは1回のみならず2回までも高値を突破しようと挑戦しましたが結局それを果たせなかった状態です。
このFXチャートパターンを見た時、世界中のトレーダーはどう考える人が多いか、をイメージすれば答えは出てくるはずです。
『FXチャ―トを見ると2回も跳ね返されている。ということは高値を突破するのはちょっと厳しいのではないか』と考えるのです。
そして高値を突破して大きな利益を得ようとして買いエントリーで入っていたトレーダー達は『この高値は突破できなさそうだから、大きく下げて損失を出す前に、今の微益でいいのでいったん利益確定しておこう』という勝ち逃げの心理・行動になります。
買いエントリーで入っていた人の利益確定は売り決済です。
つまり利益確定の売りが大きく入ることによってレートは一気に下げてきます。
FXチャートはどんどん下がり始めます。そして一度下がり始めたレートは急には止まりません。
高値突破を期待して買いエントリーしていたトレーダー達は見る見るレートが下がってきて利益がなくなってきたので慌てて利益確定をします。こうやって売りがさらに売りを呼ぶ構図となります。
ただしダブルトップになったからと言って必ずしも次は下がるとは限りません。
あくまでも、ダブルトップというFXチャート形状になった後に『レートが大きく下げてきた時にのみ売りエントリーで入る』ということです。
相場が一方向に傾いて態勢決した所でエントリーをするという点をお伝えしたかったので、具体例として挙げました。この点は後述する『ダブルボトム』『ダブルトップ』の所で詳しく説明します。
FXチャートの典型的パターンであるダブルトップを一例に挙げて説明しましたが、このように、FXチャートの裏側では人間心理が働いており、それによってFXチャートが作られています。
人間心理は変わるものではありません。
極論を言えば、FXでお金を稼ぎたいという思いは世界中のトレーダーが共通していることです。その欲望がある限り、FXチャートには人間心理が必ず付いて回るのです。
不変の人間心理を元にしたFXチャートの法則性を理解しておくことが、FX初心者にとっていかに重要であるかをお分かり頂けたはずです。
1-3.FXチャートを理解することで有利にトレードができる
このようにFXチャートパターンを理解することで、FXチャートの裏側にある人間心理に気づくことができ、FX初心者であっても有利にトレードすることができるのです。
FXは確率が全てです。
確率の高いほうで勝負することがFXで勝ち組になるための必須ポイントです。
FXチャートの法則性を活用してFXトレードをすれば、常に確率の高い方で戦えますので、必然的に勝率はアップします。
もちろんこのFXチャートの法則性も絶対ではありません。法則にあてはまるチャートパターンになったように見えても、法則とは真逆の動きをすることもあります。
世界中にはベテラントレーダーや大口投資家がひしめいているので、FXチャートパターンを逆手に取って『ダマシ』を仕掛けてそれで稼いでいるトレーダーもいます。しかしFX初心者はそれを気にしてはなりません。
法則と言えるぐらいなので、そのFXチャートパターンになれば法則通りの方向へエントリーした方が中長期的に見れば勝率が高いのです。これが重要です。
FXチャートパターンを覚え、その法則通りのエントリーを続けていればトータルで稼ぐことができます。個々のFXトレードの勝ち負けは気にしないで下さい。
FXチャートパターンを活用してトータルで稼ぐことが目的なのです。
FXチャートパターンを理解することでチャートに隠れた人間心理を見抜き、それを元に売買の最終判断をするだけでも、FX初心者は大きくレベルアップできます。
レートがなぜ一気に上がったか下がったかの理由も見えてくるようになります。
FX初心者はFXで有利にトレードするために、ぜひFXチャートパターンを覚えて下さい。
FXチャートパターンを知らずにトレードするのと知ってトレードするのでは、雲泥の差となって結果が変わってきます。
1-4. FX初心者は典型的なFXチャートパターンだけを覚える
FXチャートパターンは無数にあります。
しかしFX初心者は典型的なFXチャートパターンを覚えるだけで十分です。FXを始めて間もない初心者の頃にあまり詰め込みすぎると、逆に迷いが生じることになります。
すぐに効果を発揮できる典型的なFXチャートパターンだけを後述します。
それをインプットするだけで十分です。すべて人間心理に基づいて作られるチャートパターンであり、そこには法則性があるものばかりです。
これらを頭に入れてFXトレードに臨むだけでも大きく結果は変わってきます。
典型的なFXチャートパターンを知っているだけでもFXチャートの裏側にある人間心理を把握することができ、FXトレードの際にも余裕が生まれます。
ここで後述するFXチャートパターンだけで十分効果が出ますので、ぜひFXチャートをマスターしてFXでの勝ち組に近づいて下さい。
1-5. FXチャートパターンを売買決定の最終材料として活用する
FXチャートパターンを覚えることによって、それを売買決定の最終材料として活用することができます。
例えばインジケーター等を使ってFXトレードの売買判断をしている場合でも、この典型的なFXチャートパターンになった時にだけ取引すれば勝率が大きく上がります。
具体例を挙げます。
インジケーターの組み合わせによって売りエントリーのサインが出ていた時に、もしFXチャートパターンがダブルトップになっていたら、売りエントリーで取引ロットを増やして強気のトレードをすることも可能です。
インジケーターとFXチャートパターン分析による売買の方向性が一致した時にだけ強気にFXトレードするという手法です。
また逆に、インジケーターでは買いサインが出ているもののFXチャートパターンがダブルトップになっている状況であれば、レートが一気に下がる可能性もあるため、ロット数を減らすかトレード自体を見送るという方法を取ることもできます。
これはほんの一例ですが、このようにFXチャートパターンを理解できているだけでもFXトレードの幅が広がるだけでなく、強気に取引するか弱気に取引するかもしくは見送るというように、トレード規模の強弱やトレードをするか否かの判断をするのにも役立つのです。
FXで稼ぐためには稼げる所で思いきり稼いでおくことが重要です。
勝負すべき局面では強気に勝負し、勝負を避けるべき局面、つまりよく分からない局面ではトレード自体を見送ることも大切なのです。
こういった最終判断の材料としてもFXチャートパターンは非常に有効であり、FX初心者には絶対にマスターしておいて頂きたいのです。
FX初心者が覚えるべきFXチャートパターン
ここでは、FX初心者にぜひ覚えておいて頂きたい典型的なFXチャートパターンを8つ解説します。
この8つのFXチャートパターンを理解するだけでも勝率は格段にアップします。
他にも多くのチャートパターンはありますが、FX初心者はこの8つのチャートパターンだけで十分です。
FX初心者がFXで稼ぐための必須チャートパターンだけを厳選してあります。注意点と合わせて解説します。
2-1. FXチャートパターン①…ペナント
FX初心者に真っ先に覚えて頂きたいFXチャートパターンが『ぺナント』です。
ペナントとは細長い三角旗のことです。
プロ野球でもペナントレースと言う言葉がありますが、あれも三角形の優勝旗を争うことからそう言われています。
ペナントというFXチャートパターンは、FXチャートの変動する幅が段々と狭くなっていく動きを指しています。
このようなFXチャートパターンになっている時は、世界中のトレーダーが値動きの様子を伺っている状態だと理解して下さい。
買い方向なのか売り方向なのか方向感が定まっていない中で相場が推移していき、トレーダー達も迷いながら様子を見ている状態です。
その結果どんどん値幅が狭くなり、買うべきか売るべきかますます分らなくなるような状態になります。
こうなるとトレーダー達はスキャルピング等の短期売買の方にシフトしていきます。
長期間で見ていても、将来的に上がるか下がるかが分からないので長期トレードでは手が出せないのです。
そして短期売買が増えるということは、値動きはさらに狭くなっていくことを意味します。ごく短期間だけのトレードが増えるので、値動きがこう着状態になるのです。
この状態になると、トレーダー達は相場が上下どちらの方向へ傾くのか、『形勢が決まるその瞬間』に注目するようになります。
この状態で要人発言や経済指標等のファンダメンタル要素であったり大口投資家が勝負を仕掛けてきたりして、相場が一方向に傾いた場合にどうなるか、です。
答えは、一気にその方向へトレンドが発生する、です。世界中のトレーダー達が固唾を飲んで見守り、その後もし一気に上昇したとしたら、待ち構えていたトレーダー達は形勢が決まった買い方向へ一気に仕掛けていきます。
そうすると、売りポジションを仕込んでいたトレーダー達は一気に損失が膨らみ、慌てて損切りをします。売りの損切りですから買い決済です。
こうなるとますます相場は上昇を続けます。FX相場は損切りを巻き込んだときにものすごいエネルギーを持って動きます。
ペナントというチャートパターンは、買いか売りか分からない局面を長らく経て、ようやく答えが出た瞬間に、損切りも巻き込んで一気にその方向へ動くという特徴があります。
FX初心者はここを狙います。上がるか下がるか分からないFXチャートの時に売買するのではなく、形勢が決定された局面でだけ、その流れに相乗りさせてもらうという手法です。
FXチャートパターンを利用して勝ち組の後ろを付いていくのです。
こうすることで、FX初心者であってもベテラントレーダーと同じ方向で売買することができ、勝てる確率は格段に上がります。
念のためお伝えしておきますが、上図ではペナントのFXチャートになった後上昇していますが、こう着状態が続いた後、一気に上がるのか下がるのかは分かりません。
肝心なことは、どちらに動くか分からない局面では結果が出るまでじっと待ち、大勢が決した所でその方向へ乗っかるということです。
ペナントは徐々にレート幅が狭くなっていき、その後一方向へ大きく動くというチャートパターンです。
この裏には、迷いや稼ぎたいという人間心理と行動が隠されているのです。FX初心者でも最も簡単に取り組める手法ですので、ぜひマスターして下さい。
ペナントはFXチャートの基本中の基本となります。
2-2. FXチャートパターン②…ソーサーボトム
FX初心者が次にマスターして頂きたいのが『ソーサーボトム』というFXチャートパターンです。
ソーサーとは受け皿、ボトムとは底という意味です。相場が底値付近の下方で推移している動きとなります。このFXチャートパターンは相場が大きく下げた後に底値付近でもみ合い、その後一気に動き出す形となります。
このFXチャートにも先ほどのぺナントと同様の人間心理が隠されています。
トレーダー達は大きく下落した後にいったん下げ止まったことで迷いが生じます。再び大きく下げる可能性もあるものの、下げ止まっている現状から『この辺りが底値ではないか』と考える人もいます。
そして多くのトレーダー達が迷い、こう着状態がしばらく続いた後、一方向に一気に爆発したという動きをします。これがソーサーボトムというFXチャートパターンの特徴です。
このFXチャートでも『一方向』ということが重要です。
必ずしも上がるというわけではありません。ソーサーボトムというFXチャートパターンは、もみ合った後に一気に上昇に転じると解説されることもあります。
しかし必ず上昇すると決めつけてはいけません。
もみ合った後にさらに大きく下落していく可能性も十分にあるからです。
ですので、このFXチャートパターンになった時もペナントのFXチャートと同様に、上がるか下がるかどちらか一方向に大きく動いた所を狙う、と覚えておいて下さい。
ソーサーボトムのチャートパターンになった時も、一気に値動きが始まった際に、様子を見守っていたトレーダー達は『その方向でいいのか、分かった』と考えて安心し、その方向へ強気のトレードを仕掛けてきます。
仮に一気に上昇方向へ傾いたとすれば、そのFXチャートを見たトレーダー達は一斉に買いエントリーを仕掛けてくるのです。
また、どちらに動くか分からない状況で売りポジションを持っていたトレーダー達は、一気に上昇が始まったために慌てて損切りを始めます。これがさらに上昇に拍車をかけます。こうなることで完全に決着がつき、相場は一気に上昇方向へ傾くのです。FX初心者はここを狙います。
相場が一方向へ傾いた所に相乗りするのです。リスクを極限まで減らして一気に稼ぐためには、FXチャートを見ながら相場の方向感が決定するまで待つことも大切なのです。
2-3. FXチャートパターン③…ソーサートップ
ソーサートップというFXチャートパターンは、先ほどのソーサーボトムの逆です。
ソーサーボトムは底値付近でのもみ合い後に一気にどちらかの方向へ傾くチャート形状ですが、ソーサートップは高値付近でのもみ合い後に一気にどちらかの方向へ傾くチャート形状を指します。
このFXチャートパターンもソーサーボトムと同様に、どちらかの方向へ大きく傾くまでは待ち、形勢が決定された所でその方向で強気のエントリーをします。
心理や行動もソーサーボトムと同様ですので、説明は割愛します。
2-4. FXチャートパターン④…ダブルボトム
FX初心者にぜひとも覚えて頂きたいFXチャートパターンの1つが『ダブルボトム』です。
先ほどのソーサーボトムと似たFXチャートパターンですが、決定的に異なる点があります。それは『底が2回出現する』点です。
このダブルボトムというFXチャートパターンの特徴を説明します。
相場が下落していくと段々と売り手が少なくなっていき、下げる勢いがなくなり、やがて売りエントリーしていたトレーダー達の利益確定、つまり買い決済が始まるので相場は上昇に転じます。
これが1回目の底です。
その後そのまま上昇するのかと思いきや今度はその上昇の勢いがなくなり、再び下げてきます。
そして1回目の底付近まで下落してきた後、またまた上昇していくのです。このFXチャートパターンがダブルボトムです。
ダブルボトムのFXチャートパターンが現れるとトレーダー達は『2回も底をつけたのに再び上昇し始めたので、これは底が堅くて突破できなさそうだ。このまま上昇するはずだ。』と考えるのです。
そうなると買いエントリーに殺到するようになり、買いがさらなる買いを呼び込む形になります。FX初心者はこのタイミングで買いエントリーで入れば高確率で勝てるのです。
ただし2回目の底の後に必ず上昇するとは限りません。上昇する確率が高いだけです。
そのまま下落してしまうケースもあります。
では2回目の底の後、上がるか下がるかをどう判断すればよいのか、です。
結論から言いますと、2つの底の高低差に注目するのです。上昇する確率がさらに高まるようなダブルボトムの場合は、FXチャートをよく見ると2回目の底の方が1回目の底より高い位置にあるのです。
これは2回目の底を作りに行った際に1回目の底よりも下に行けなかったということを意味しています。
つまりそれだけ底値が堅くなっており、容易には突破できないということです。このFXチャート形状を見たトレーダー達は、下落の勢いはもはやなくなっており、上昇するはずだと考えて買いエントリーで入る人が増えます。結果としてチャートは急上昇していくことになるのです。
反対に2回目の底が1回目の底より低い位置にできた場合は、下落の勢いが強いという判断がなされてさらに下がる可能性があります。
ダブルボトムのFXチャートが出てきた際には、基本的には上昇する確率が高いので買いエントリーで入ることを考えながらも、2つの底値の高低差に注目することで、より精度の高いFXトレードをすることができるのです。
2-5. FXチャートパターン⑤…ダブルトップ
ダブルトップは冒頭の『1-2.FXチャートパターンには典型的な法則がある』の具体例で紹介したFXチャートパターンです。
先ほどのダブルボトムと逆のFXチャートパターンです。
冒頭では深くは触れませんでしたが、このFXチャートパターンの場合は、基本的には売りエントリーで入ることを考えます。
しかし上昇する可能性も残されています。
ダブルボトムの時のように、『2つのトップを作っている高値の高低差』に注目する所がポイントになります。
ダブルトップの2つの高値のうち2回目の高値が1回目の高値より低い位置にあれば、相場は明らかに下落方向へ傾いてきているので強気の売りエントリーを仕掛けるのです。
逆に、2回目の高値が1回目の高値より高い位置にあれば、そのまま上昇する可能性も視野に入れて取引を見送り様子を見ます。
ダブルトップはダブルボトムと同じく、非常に出現頻度の高いFXチャートパターンです。
トレーダーであれば誰もが知っているFXチャートパターンです。
皆が知っているということは、その形状のFXチャートになれば、法則通りに機能しやすいことを意味しています。FX初心者の人にとっても、難易度の低いFXチャートパターンですので、ぜひ覚えておいて下さい。
2-6. FXチャートパターン⑥…高値切り下がり
これは1つ前のロウソク足の高値を次のロウソク足が越えられずジリジリと下げているFXチャートのことです。
もし1時間足チャートか4時間足チャートで高値が段々と切り下がっている状態であれば、売りエントリーする絶好のチャンスとなります。
なぜこのような現象が起こりやすいのか。そこにもやはり人間心理が隠されているのです。
今までは積極的に買いエントリーしていたトレーダー達がいたので上昇してきたものの、彼らが『そろそろ天井ではないか』と考え始め、買いで入ることを躊躇し始めた結果、高値が切り下がってくるのです。
こうやって買いエントリーで入る意欲がなくなってきた相場では次に何が起こるか、です。答えは、売りエントリーに相場が傾く、です。もともと買い優勢の中でジワジワと下げてきているわけなので、反対に売ろうとする勢力が増えてきます。
さらに買いエントリーで入っていたトレーダー達も、含み益がジリジリ減ってきているので『これ以上利益が減る前にいったん利益確定しておこう』と考えるようになります。
買いエントリーの利益確定ですから売り決済です。こうやって、どんどん売り勢力が増えてきて相場は一気に下落の方向へ傾くのです。
ただしこのFXチャートパターンを活用する際には1つだけ注意点があります。
それは『高値圏において高値が切り下がっていること』です。
高値圏とは日足チャートや週足チャートで見た時の最も高いレート近辺のことを指します。
そのレート付近でジリジリと下がり始めていることを1時間足チャートか4時間足チャートで見つけたら、売りエントリーで仕掛けるということです。単純に1時間足チャートや4時間足チャートだけを見て高値切り下げとは判断しないようにして下さい。
手順としては、1時間足チャートか4時間足チャートを見て高値がジリジリ下がってきているのを確認した後、日足チャートを見て、その高値が本当に高値圏であるかを確認します。
ここ数日での最高値付近からジリジリと下がってきていることを確認して、売りでエントリーをするのです。
FX初心者にとっては他で紹介しているチャートパターンより見極めが難しく、少々難易度の高いFXチャートとなります。
高値切り下がりのチャートパターンは、FXトレードに少し慣れてから取り組むのもよいでしょう。
2-7. FXチャートパターン⑦…ロウソク足の底値切り上がり
FXチャートでよく出現するパターンとして底値切り上がりもあります。
これはFXチャートを形成しているロウソク足に注目することで見極めることができます。FX初心者にとっても難易度の低いチャート形状であり、ぜひ覚えて頂きたいFXチャートです。
FXチャートにはロウソク足が出ていますが、このロウソク足の動きに注目をします。
特に底値付近におけるロウソク足の動きは人間心理がよく表れており、そのロウソク足の動き方によって取引判断することが可能です。
FXチャートにおいて底値付近で長い下ヒゲが出た時には買いエントリーで入るチャンスとなります。
ヒゲとは下図のようにロウソク足の上下に細く出ている線のことです。
ロウソク足の実体部分とは違い、ヒゲ部分は『瞬間的・一時的にそのレートに動いた』ことを意味しています。
つまり、一時的にはそのレートまで到達したもののそれは長くは続かず、すぐにレートが押し戻されたということです。このヒゲこそ人間心理を如実に示すものとなります。
基本的にFX相場は『下がる』ことに対しては恐怖心があります。
落ちる、下がることが怖いという人間心理です。
例えば相場が大きく下げてきた際に、さらに下がるのかそれとも上昇に転じるかは分かりません。
怖々とした思いを抱きながら売りエントリーを仕掛けたり、売りエントリーで入ってたトレーダー達が利益確定つまり買い決済を仕掛けたりします。そういう攻防戦の中での長い下ヒゲはその微妙な人間心理の攻防戦をよく表しているのです。
FX初心者の戦略はこうです。
FXチャートを見て下落相場が続いている局面ではロウソク足に注目し、長い下ヒゲをつけた時に買いエントリーで入るのです。
長い下ヒゲは、瞬間的には大きく下げたことを意味します。しかしそれは持続できずに上昇方向へ強い力が働いた証拠なのです。
『ここまで下げたということは、そろそろ上昇に転じるのではないか』とトレーダー達が考え始め、その行動を開始したタイミングでもあります。ここで買いエントリーをすれば、かなりの高確率で勝つことができます。
底値付近で長い下ヒゲをつけたロウソク足。このFXチャートを見たトレーダー達は買いエントリーもしくは買い決済に傾きやすいのです。
そして一度傾いた流れは止められず、どんどんと買い勢力が強くなります。
買いがさらなる買いを呼び込む状態です。FX初心者はやはりここを狙うのです。強い勢力の方に相乗りする、これこそがFX初心者がFXで稼ぐための秘訣なのです。
2-8. FXチャートパターン⑧…暴騰・暴落
FXチャートパターンとして時折見られるのが、異常なまでの急上昇や急下落です。
いわゆる暴騰・暴落です。これはファンダメンタル要素によって発生するケースが多いです。
例えばアメリカの失業率上昇の発表がされた瞬間に、たった数分の間に50pipsも円高が進む、といったチャートパターンです。
このように瞬間的に暴騰・暴落した場合は、逆張りエントリーのチャンスと見て下さい。異常なまでの急上昇や急下落は、必ずその後に反動がやってくるのです。
FXチャートを見ていて、いきなり数分間で数十pipsレートが動いたとします。
しかしその瞬間は慌てずそれを見守っていて下さい。ここが重要です。
例えばレートが暴騰したからと言って、買いエントリーに飛び乗ってはいけないのです。
レートが暴騰するのはほんの一瞬の出来事です。
あっという間に数十pipsが動きます。それを見てから買いエントリーで入ってもハイリスク・ローリターンなのです。
FX初心者が暴騰するFXチャートを見て買いで入った頃には、その暴騰によって莫大な利益を得た大口投資家やベテラントレーダー達はもうすでに利益確定に動いています。
買いエントリーの利益確定ですから売り決済です。買いエントリーで入ったとしても、すでに暴騰してレートは上に伸び切っているので、そこからの伸びシロが小さいのです。仮に勝てたとしてもローリータンなわけです。
むしろ、暴騰した後に必ず発生する利益確定(売り決済)の波に乗って、売りエントリーを仕掛けた方がローリスク・ハイリターンを狙えるというわけです。
FX初心者の手順はこうです。
FXチャートを見ていてレートが暴騰した時には飛び乗らず、その場は見送ります。
そしてFXチャートの監視だけは続けます。
すると必ず、ジリジリとレートが下がってくるタイミングがあります。
そこを売りエントリーで入ります。暴落の場合は逆になります。
暴落した瞬間は何もせず見送ります。
するとしばらくしてレートがジリジリと上げてくるタイミングがあります。売りエントリーで利益を得たトレーダー達の利益確定のタイミングです。ここで買いエントリーで入るのです。
暴騰・暴落というシチュエーションは異常な状態であり、いわば相場がパニック状態になっているのです。
こういうパニックの時こそ、人間心理が素直に表れやすいのです。もし急激に暴騰した場合なら、暴騰後にジリジリとレートが下がってきたら、買いエントリーで入っていたトレーダーは含み益が少しずつ減ってくるので、この暴騰で得た利益をなんとか守りたいという心理が働きます。
つまり売り決済が多くなるわけです。そうするとレートはさらに下がります。
下がり始めたFXチャートを見ると、まだ利益確定せずにさらなる上昇を期待して頑張ってポジションを保有していたトレーダー達も、『これ以上利益が減ってしまってはまずい』と考え、買いの利益確定つまり売りが加速します。
また、ポジション保有していない新規のトレーダー達も『暴騰が終わって売りに傾いてきた』と考え、新規で売りエントリーを仕掛けてきます。
売りが売りを呼び、相場は一気に下落方向へ傾くのです。FX初心者はここを狙うのです。
FXチャートを見ていて暴騰したからと言って買いエントリーで入るのはメリットがないのです。
それを逆に利用して、人間心理・行動を鑑みて売りエントリーで入った方がメリットが大きくなります。
2-9.FXチャートパターンを活用する際の注意点①…FXチャートパターンは絶対ではない
ここまでFXチャートパターンを見てきました。
しかしFXチャートパターンがいかに優れていようとも、100%当たるわけではありません。
FXチャートパターンとて絶対ではないということは覚えておいて下さい。あくまで『そのような値動きをする確率が高い』ということです。
FXチャートパターンだけで取引してもFXで稼ぐことはできますが、インジケーターと組み合わせることでより精度を高めることができます。
FXチャートパターンとインジケーターを組み合わせて、総合的に見て買い有利なのか売り有利なのかを判断してエントリーすることをおススメします。
そして、インジケーターが指し示す方向性とFXチャートパターンが指し示す方向性が一致した時に、普段より多めのロットを投入して勝負するのです。
こうすることで『稼げる時にしっかり稼ぐ』ことができます。FX初心者の頃は軍資金も少なく、資金がなかなか増えないという人も多いはずです。
それは、資金運用の強弱がうまくつけられていないからです。
勝負に出る所は出る、そして抑える所は抑えるというメリハリをつけることで、確実に利益を残せるようになります。
その資金運用のメリハリをつけるサポーター役として、FXチャートパターンを役立てて頂きたいのです。
2-10.FXチャートパターンを活用する際の注意点②…損切りは必ず入れる
FXチャートパターンを活用していても、必ず損切りを入れるようにして下さい。
FXチャートパターンを使っていてもベテラントレーダーによる『ダマシ』は発生しますし、法則通りにチャートが動かないこともあります。
つまりFXチャートパターンを使っても負ける時には負けるのです。
そのことを想定して、エントリーした段階で必ず損切りを入れるようにして下さい。
FXチャートがソーサーボトムやダブルトップ等の分かりやすい形状をしていていかに自信があっても同様です。
損切りを入れたことによって、その取引は不運にも損切りラインに引っ掛かって負けることもあります。
もし損切りを入れていなければレートが戻ってFXチャートパターン分析通りに順行してその取引は勝っていた、という場合もあります。
それでも損切りは必ず入れるようにして下さい。トータルで長期的に見てFXで勝ち組になるためです。
FXチャートパターンは世界中のトレーダーが意識しているものであり、機能しやすい反面で、それを逆手に取ってFX初心者を一瞬だけ揺さぶって稼ごうとする大口投資家もいるのです。
それに揺さぶられてはいけないのです。FXチャートパターンの成功率は60~70%です。10回のうち3、4回は負けることを織り込み済みで、損切りを入れながらトータルで着実に勝つ道を歩んで下さい。
2-11.FXチャートパターンを活用する際の注意点③…売りのスピードは速い
先ほども少し触れましたが、FXの売買の中でも『売り』は一気に進む傾向があります。
極論を言えば、上がるときはジワジワと上がり、下がる時には一気に下がるということです。
過去のFXチャートを軽く見て頂くだけでもその傾向には気づいて頂けるはずです。
買いポジションを保有している立場からすると、それまでジワジワと上昇していた相場が急落すると、冷静さを失い慌てるのです。
特にFX初心者ならなおさらです。
ジワジワと増えていた利益が急に減ってしまうので、さらに下落するのが怖くなって売り決済が集中し、一気に下落が進むわけです。
FXチャートパターンを活用してFXトレードをする際も、この『買いと売りのスピードの違い』はぜひ意識しておいて下さい。
FXチャートパターンのどれかに当てはまり、買いエントリーをする場合はそこまで急がずとも大丈夫ですのでゆっくりエントリーしても間に合います。
上がり方は比較的緩やかであるケースが多いからです。
しかし、もしFXチャートパターンで売りエントリーを示した時には、躊躇せず早めの決断をして売りエントリーを入れて下さい。
売りの場合は例えば5分判断が遅れるだけでも10pips以上さらに下がってしまうこともザラにあり、結果として利益が減ってしまうことに直結するからです。
一瞬躊躇してしまうことによってさらにレートが下がってしまい、売りエントリーした頃には反転して上昇し始めているなんてことにもなりかねません。
そうなると勝てる相場で負けることになってしまうのです。
瞬時の判断に自信のないFX初心者は、FXチャートパターンを使って取引する際、最初は売りエントリーはせずに買いエントリー専門で取引をするのも1つの方法です。
買いエントリー一本に絞ってもトレードチャンスは山ほどあります。買いエントリーで勝つ経験を深めた後に、難易度のやや高い売りエントリーに取り組むことで、段階的に成長することもできます。
FXチャートパターンを使いこなすには場数を踏むことも必要です。慌てず経験値を高めていきましょう。
まとめ
・FX初心者にとってFXチャートパターンを理解することは非常に重要です。FXチャートの裏には人間心理・行動が隠されており、それがチャートになって表れているからです。
・トレーダー達の心理や行動を理解し、FXチャートパターンにそれが顕著に表れたタイミング、つまり値動きが一方向に傾いた所を狙って勝ち組に相乗りするような取引をすることで勝率を格段にアップさせることができます。
・FX初心者の頃はここで説明した典型的な8つのFXチャートパターンを覚えるだけで十分です。
・インジケーターが指し示す売買の方向性と、FXチャートパターンが指し示す売買の方向性が一致した時にだけ取引をすれば勝率をさらに高めることができます。
・FXチャートパターン分析によるトレードも絶対ではありません。負けることも想定して必ず損切りを入れるようにして下さい。
・FXチャートパターンを活用してトレードをする際、下落はスピードが速いのでFX初心者の頃は買いエントリーだけに絞って取引するのも1つの方法です。
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